代表者の個人資金を会社に貸付ける


社長のお金をプールする。
税理士の仕事をしているとよく聞く言葉です。

会社の資金が足りなくなったとき、代表者が個人資金を会社に貸し付ける
ケースをよく目にします。

だったら最初から会社にお金を残しておけばいいのにと思うときもあります。
その点を詳しく解説します。

社長が資金を貸し出す場合のメリット
①そもそも個人資産なので、必要がなければ個人の財産とすることができる。
②会社に資金を残すより報酬を多く取るので法人税が安くなる
③利益が減るので自社株の評価が下がる

会社にプールしておくメリット
①所得税・住民税と社会保険料が安くなる
②内部留保が増えて、自己資本比率が上がる
③銀行の評価もよくなり、融資利息が下がる(かも)

二つの方法のデメリットは上記の真逆です。

要はどちらが有利か不利かの判断をする必要があるのですが、
一つの基準は下の有利な方を選択します。

・報酬を増やしたことによる法人税の減少額

・報酬を増やしたことによる個人の所得税・住民税と社会保険料の増加額

例えば繰越欠損金が沢山あるのに、報酬をたくさん取って、そして会社に
貸し付けるケースは、確実に損をしています。
法人税が0なのに、所得税等を納めたうえで、資金を貸し付けています。

報酬を30下げれば、30会社に残るのに、いろいろ天引きされると21しか
手元に残らず、その21を貸し付ける、そんな感じです。

個人的な意見は、会社あっての報酬なので、報酬は適度に抑えてある程度
会社に内部留保するのがいいのではないかと思います。

結局は適正な報酬を法人からもらうことが一番いいのかもしれません。

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